「ところ遺跡の森」便り【2015年10月号~2016年3月号】

2017年5月17日

 「ところ遺跡の森」便りは北見市常呂自治区内で市報に折込で配布されている社会教育情報内に毎号掲載しているものです。
 イベント案内をはじめ、考古・自然など「ところ遺跡の森」に関連する情報を毎月お届けしています。
 (毎月初め更新予定。ここに掲載したものは、写真・文章は当初掲載時のものから一部変更している場合があります。)

2015年10月号

 8月号でもお伝えしましたが、8月下旬から9月上旬にかけて、森林公園近くに位置する大島2遺跡で発掘調査が行われました。

 今年は昨年、上層部分を調査した竪穴住跡(3号住居)の継続調査が実施され、住居が使われていた当時の床面にあたる範囲が調査されました。

 この住居は約900年前、擦文時代と呼ばれる時代のもので、火災で焼けており(住居を放棄するときに意図的に焼いたとも言われています)、床面からは炭になった状態の木材が多数発見されました。その中には細長い丸太材を平行に並べたものも見つかっています(写真)。この時代の住居では、壁際にベッド状の板敷きが作られるのですが、この丸太を並べた形のものもベッドとして利用されたものかもしれません。

 今回、回収された資料の分析はまだこれからの段階です。今後、大昔の常呂の暮らしが少しずつ明らかになっていくことでしょう。

3号竪穴住居寝台?
▲四角形をした900年前(擦文時代)の竪穴住居跡(左)、住居跡で見つかったベッド(?)(右)

2015年11月号

 今年は全道的にドングリが不作のようです。遺跡の森でも例年大量に実るはずのドングリが今年はあまり落ちていません。餌の減少で、ヒグマの被害が心配されていますが、ドングリはヒグマだけでなく森の様々な動物の食料となっています。

 遺跡の森に住むエゾシマリスもドングリを餌にしています。お腹をすかせているのかと思いきや、ドングリがなければ他の木の実から虫まで色々なものを食べているようです。遺跡の森にはハマナスが生えている場所がありますが、いつの間にか実がなくなってしまいました。トゲだらけのハマナスに平気でよじ登る姿も目撃されており、かなりの量をシマリスが食べてしまったようです。他に、カエデの実を集めているところも見つかっています。

 シマリスは冬が来る前に食料を集めておかなければならないので今、大忙しです。遺跡の森で彼らを見かけた場合は、驚かせないようにそっと見てあげてください。 

エゾシマリスハマナスとシマリス
▲遺跡の森のエゾシマリス(左)、ハマナスの実を取るエゾシマリス(右)

2015年12月号

~大昔の「考古学者」?~

 常呂では古くから遺跡の存在が知られており、早くも明治時代には発掘調査も行われています。一方、遺跡を残した大昔の人も、自分よりさらに昔から人が住んでいたということは知っていたようです。

 常呂には7~9世紀頃にオホーツク文化の遺跡が残されており、竪穴住居の跡も多数見つかっています。オホーツク人の住居には、狩で獲った動物をまつる「骨塚」と呼ばれる祭壇(さいだん)がありました。実はこの「骨塚」から、オホーツク人より昔の土器が見つかることがあります。

 写真は約4500年前に作られた縄文土器ですが、オホーツク人の住居の「骨塚」に置かれたヒグマの骨などと一緒に見つかりました。この住居は縄文時代から人が住んでいた場所に建っていましたので、地面を掘ったときなどに偶然見つけたと思われます。オホーツク人が自分より3000年以上前の土器をたまたま「発掘」し、大事に家の中に置いていたわけです。もちろんどれほど古いかまでは知らなかったでしょうが、古いものを拾ってきて大切にする点では「考古学者」のはしりと言えるかもしれません。

トコロ5類土器骨塚出土資料
▲オホーツク人の住居で見つかった縄文土器(左)
 この土器は一緒に見つかったヒグマの骨の一部と一緒に現在展示中です(右)

2016年1月号

 冬になると遺跡の森はしばらく雪に覆われる季節になります。草木の多くは葉を落とし、シマリスなどの動物は冬眠に入ってしまうため、森の中は一見さびしくなってしまいますが、そうした中でも元気に活動している鳥たちがいます。

 見つけやすい鳥としてはキツツキの仲間がいます。木の幹を歩きながらエサを探して小刻みに木をつつく音を立てるので探しやすい鳥です。よく見られるのはアカゲラで、背が黒、腹が白でお尻の赤い鳥です。まれには国の天然記念物にも指定されているクマゲラが見られることもあります。

 最も多くいるのはカラ類の鳥です。ハシブトガラ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、ヤマガラといった鳥で、別々の種類の鳥なのですがこの季節は一緒に群れて生活しており、にぎやかなさえずりを聴くことができます。中でもゴジュウカラはキツツキより木を歩くのが得意な鳥で、垂直な壁でも上下自在に歩くことができます(写真)。

 遺跡の森ではウェブサイトで実際に見られる鳥の一部を写真で紹介していますので、機会があれば見てみてください。(ところ遺跡の森:自然案内)

ゴジュウカラ
▲垂直な壁に止まるゴジュウカラ。このまま向きを変えて下に歩くこともできる。

2016年2月号

~考古学講演会「竪穴住居の生活と常呂遺跡」のお知らせ~

 大昔の常呂に住んでいた人々は、竪穴住居と呼ばれる半地下式の家に住んでいました。遺跡の森では実物大の復元竪穴住居を展示中ですが、現在、老朽化した建物の再建事業を進めているところです。これに合わせて、竪穴住居や遺跡の復元をテーマにした講演会を実施します。

○タイトル:「竪穴住居の生活と常呂遺跡」
○日時:平成28年2月14日(日) 15:00~16:30(開場14:30)
○場 所:常呂町多目的研修センター 視聴覚室
○講 師:高橋健氏(横浜市歴史博物館学芸員)
○入場無料、申込み不要です。
○お問い合わせ:ところ埋蔵文化財センター 電話0152-54-3167

  常呂の遺跡では竪穴住居の跡がたくさん見つかっています。講師の高橋先生は現在、神奈川県横浜市で実際に竪穴住居の復元をおこなわれている他、以前は東京大学常呂実習施設助教として常呂でも数多くの発掘調査にたずさわってこられました。こうした経験にもとづきながら、いろいろな時代や地域の竪穴住居の生活についてお話しいただく予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

2016年3月号

~東京大学常呂資料陳列館 第5回企画展示「続縄文文化と交流」のお知らせ~

 遺跡の森の一番奥にある東京大学常呂資料陳列館では、年1回企画展がおこなわれています。今年度は「続縄文文化と交流」というテーマで3月14日から開催されます。

 「続縄文文化」とは、縄文時代の後、紀元前4世紀~紀元6世紀頃の北海道で形成された文化です。本州では稲作が広まった時代にあたりますが、北海道では縄文時代と同様の狩猟・採集文化が続いたため続縄文時代と呼ばれます。この時代の北海道では南北の広い地域と交流しながら独自の文化が形成されました。展示では、こうした交流を示す資料を、今回初公開されるものも含め約20点集め、続縄文文化の姿にせまります。

○開催期間:平成28年3月14日(月)~5月13日(金)
○会場:東京大学常呂実習施設附属常呂資料陳列館・3階展示室
  ※館内には暖房設備がありません。冬期間中は暖かい服装でお越しください。 
○開館時間:9:00~17:00
○入館料:無料
○お問い合わせ:東京大学常呂実習施設 電話0152-54-2387
 

管玉コハク玉
▲続縄文時代の遺跡から発見された管玉(左)と琥珀製首飾り(右:糸は再現時に補ったもの)。

 

お問い合わせ

北見市教育委員会常呂教育事務所
ところ遺跡の森

〒093-0216
北海道北見市常呂町字栄浦371番地
電話:0152-54-3393
FAX:0152-54-3538