「ところ遺跡の森」便り【2017年10月号~2018年3月号】

2018年4月1日

 「ところ遺跡の森」便りは北見市常呂自治区内で市報に折込で配布されている社会教育情報内に毎号掲載しているものです。
 イベント案内をはじめ、考古・自然など「ところ遺跡の森」に関連する情報を毎月お届けしています。
 (毎月初め更新予定。ここに掲載したものは、写真・文章は当初掲載時のものから一部変更している場合があります。)

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2017年10月号

大島2遺跡の調査・竪穴住居の発掘と擦文土器

今年も8月下旬から9月上旬にかけて、大島2遺跡(森林公園の近く)で発掘調査が行われました。

約900年前の擦文(さつもん)時代の竪穴住居(たてあなじゅうきょ)の跡が継続的に発掘されています。

今年は4号竪穴住居と5号竪穴住居の調査を行いました。

4号竪穴住居からは、炭化材(焼けて炭になった家の柱など)が多数と擦文土器(写真)紡錘車(糸えおつむぐ道具)といった道具のほか、カマド(食べ物を煮炊きするための施設)が2基見つかりました。

炭化材の広がりと土製品(粘土から作ってある道具。土器など)を写真と微細図(出土したものを詳細に図面にすること)で記録しました。

4号竪穴住居のカマドや柱などの詳細な調査は来年度以降継続して行う予定です。

5号竪穴は表土を除去し、土器片が数点確認されました。こちらも本格的な調査は来年度以降になります。

押しつぶされるように割れた擦文土器

押しつぶされるように割れた擦文土器(大島2遺跡4号竪穴住居)

 

2017年11月号

11月1日よりところ遺跡の森の擦文時代(1,000年前)の復元竪穴住居(1号竪穴住居)がリニューアルしました。

この1号竪穴住居は平成23年に老朽化のため立ち入りを制限したいましたが、史跡整備事業の一環として再整備を行い、このたび晴れてお披露目となりました。

ところ遺跡の森内には他にも竪穴住居はありますが、1号竪穴住居はその中でも特に床面積が大きく、高さは想像になりますが復元した茅葺き(かやぶき)住居から伝わる迫力は一見の価値ありです。

ところ遺跡の森内は無料で自由に見学可能ですが、1号竪穴住居の中は暗いので足元に注意してください。皆様のお越しをお待ちしております。

1号竪穴  かやぶきのようす

  ●復元した1号竪穴住居 床面から頂上部まで6mの高さがある。              ●茅葺きのようす 職人さんが編み物をするように茅を葺いている。

 

 

2017年12月号

○東京大学常呂資料陳列館企画展のお知らせ

 東京大学常呂資料陳列館では、第7回企画展「動物を祀(まつ)る‐オホーツク文化の動物観‐」を開催中です

 ご存知の方も多いかと思いますが、常呂町にはかつてオホーツク文化と呼ばれる漁労(ぎょろう)を中心とした狩猟採集(しゅりょうさいしゅ)生活をしていた人たちがいました。

 彼らは多角形の大型住居に住み、動物の骨や木を加工した道具を使い、オホーツク海沿岸に住むといった特徴を持っています。

 サハリンを通して大陸から南下し北海道にやってきた彼らは、時代を経るに従い、本州系の人々(擦文文化)と交じり合って、北海道から姿を消していきます。そういったオホーツクの人々ですが、道具に動物の彫刻をするといった特徴があります。

 モノに動物を表現するのは縄文文化期からみられますが、オホーツク文化の彫刻、とりわけクマをテーマにした彫刻が写実的で目をみはるものがあります。

 クマに対する特別な思いはアイヌ文化期へと続いていったともいわれています。

 企画展ではトコロチャシ跡遺跡の出土資料をはじめ、常呂町内出土資料を中心に、こうした動物をかたどった資料について詳しく紹介しています。

 

○開催期間:平成29年11月6日(月)~12月25日(月)

 ※火曜日休館(祝日の場合は開館)

 ○会場:東京大学常呂実習施設附属常呂資料陳列館・3階展示室

 ○開館時間:9:00~16:30

 ○入館料:無料

 ○お問い合わせ:東京大学常呂実習施設 電話0152-54-2387

  企画展ポスター          展示室内のようす

             ●このポスターが目印です。                     ●展示室のようす 出土資料展示のほかに、パネル展示が多数あります。  

 

 

 

2018年1月号

○2月に行われる、ところ遺跡の森講演会「歴史再発見・常呂遺跡と竪穴住居-東北アジアからみた北の古代文化-」のお知らせ

 ところ遺跡の森(国指定史跡常呂遺跡)では、老朽化した復元竪穴住居の再建を順次実施しています。

 竪穴住居は多くの地域の古代人にとって基本的な住居でしたが、そこでの生活の様子は現代人にとってなじみがなく一般にはあまり知られていません。

 竪穴住居での生活がどのようなものであったのかを様々な観点から語っていただく中で、遺跡の森で復元される竪穴住居に住んだ人々の暮らしについて思いをめぐらし、

その文化や価値への関心を育む講演として、今回は常呂遺跡と同じ時代の竪穴住居跡が多く発見されている東北アジア地域(特にアムール川流域やサハリン)の遺跡の事例を主に紹介していただきます。

 

主催:北見市教育委員会(ところ遺跡の森)

講師:九州大学埋蔵文化財調査室准教授福田正宏氏

日時:平成30年2月17日(土) 15:00~16:30(開場14:30)

場所:北見市常呂町多目的研修センター 視聴覚室

入場料:無料 (申込不要)

定 員:40名

お問合せ:事前の申込は不要ですが、お問合せはところ遺跡の森(ところ埋蔵文化財センター)0152-54-3167まで。

 

 

 

2018年2月号

○今月17日(土)に、ところ遺跡の森講演会「歴史再発見・常呂遺跡と竪穴住居-東北アジアからみた北の古代文化-」を行います。

 現代では なじみ のない竪穴住居での生活がどのようなものであったのかを東北アジア地域(特にアムール川流域やサハリン)の遺跡の事例を中心にお話しいただきますが、

 ところ遺跡の森には復元した竪穴住居がありますので、ご興味のある方は講演会前に一度本物の竪穴住居に入ってみてはいかがでしょうか。

 下の写真の1号竪穴住居はおよそ1,000年前の擦文(さつもん)時代の住居を復元しています。

 写真は竪穴の中から撮っています。奥の明かりは入り口から差し込んでおり、両脇のかまくら状の物はカマドという調理施設です。

 1辺が10m以上の大型の住居ですので足元が暗く見学の際には注意が必要ですが、竪穴住居を体感できるのは北見市ではここだけですので、この機会にぜひご覧になってください。

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主催:北見市教育委員会(ところ遺跡の森)

講師:九州大学埋蔵文化財調査室准教授福田正宏氏

日時:平成30年2月17日(土) 15:00~16:30(開場14:30)

場所:北見市常呂町多目的研修センター 視聴覚室

入場料:無料 (申込不要)

定 員:40名

お問合せ:事前の申込は不要ですが、お問合せはところ遺跡の森(ところ埋蔵文化財センター)0152-54-3167まで。

 

2018年 3月号

○擦文時代の竈(カマド)

 2017(平成29)年11月1日よりところ遺跡の森の擦文時代(1,000年前)の復元竪穴住居(1号竪穴住居)がリニューアルしてから、来訪者のみなさまより多くの質問が寄せられましたので、その中で一番多かったカマドについてご紹介します。

 カマドは、4世紀末~5世紀初頭に朝鮮半島から日本に伝わった調理施設です。日本ではおよそ奈良時代末から平安時代初頭まで住居に備え付けられていました。

 また、カマドに「竈神」(カマドガミ)を祀る風習も日本に伝わったとされ、古墳~奈良時代の本州では住居を廃棄する際にカマドにお供え用の土器を入れるなど儀式を行っていたようです。

 本州のカマドには煮炊きに使うため土器を引っ掛ける口が、お米用と汁物用(おかず用)の二口あるなど北海道のカマドとは装いが異なります。

 北海道のカマドは一口のもので、1辺が10mを超える大型の住居では2つのカマドがみつかることがあります。

 カマドの焚口(火を焚く場所)をみると、どれくらい頻繁に使用していたかがわかりますが、2つのカマドを同じ時期に使っていた可能性は低いと考えられています。

 ところ遺跡の森の1号竪穴住居は発掘調査で2つのカマドがみつかったため復元した住居内に2つカマドがあります。実際に煮炊きすることはできませんが、

 この機会にぜひ見に来てください。見学の際は1号竪穴住居の中は暗いので足元に注意してください。

 皆様のお越しをお待ちしております。

入り口脇のカマド

                       1号竪穴住居内のカマド(写真左手前と右奥)

 

 

 

 

 

お問い合わせ

北見市教育委員会常呂教育事務所
ところ遺跡の森

〒093-0216
北海道北見市常呂町字栄浦371番地
電話:0152-54-3393
FAX:0152-54-3538