世界文化遺産を目指す常呂遺跡

2014年7月31日

ところ遺跡の森だより

(2011年2月号掲載)

— 世界文化遺産を目指す常呂遺跡 —

 

 史跡常呂遺跡は常呂川河口の右岸台地、オホーツク海に沿って延びる海岸砂丘、サロマ湖岸の森林内にあります。これらの地域には約3,000軒以上におよぶ竪穴住居跡が完全に埋没することなく、窪んだ状態で残されています。

 遺跡を構成する時代は縄文時代(約8000~2000年前)、続縄文時代(約1800~1500年前)、擦文時代(約1000年前)、オホーツク文化(約1100年前)、アイヌ文化(約300年前)など各時代・文化にわたる遺跡であり、先史オホーツク海沿岸の採集狩猟民の代表的遺跡です。

 平成19年に北見市は標津町・北海道と共同して常呂遺跡・標津遺跡群を「北海道東部に窪みで残る大規模竪穴住居跡群」の名称で世界文化遺産暫定一覧表に記載する提案を文化庁に行いました。

 

 審査の結果、今回の記載は見送られましたが「世界文化遺産暫定一覧表記載候補の文化資産」として位置づけられました。遺跡の価値が認められたわけです。

 

 総合評価は次のとおりです。

 

1.窪みで残る竪穴住居跡はおよそ7000年もの長期間にわたって営まれてきたことを物語る資産である。

2.北海道の寒冷気候のため独特の遺存状況を残し、人類と自然との調和の過程を示す考古学的遺跡として価値は高い。

 

 課題は竪穴住居跡が世界史的・国際的な観点から代表例となるのか。つまり、世界中のだれもが認める価値を持っているかの証明を十分に行う必要があるというものでした。

 さらにアイヌ文化も含めた資産構成、オホーツク海沿岸にわたって広がる同種の遺跡との比較など調査の必要性が指摘されました。

 現在、東京大学常呂研究室と合同で発掘調査を行っているのもこの一環ですが、常呂遺跡の学術的価値・魅力を市民の皆様と発信し、知名度を高めることが必要と思います。

 

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