常呂の遺跡:トコロチャシ跡遺跡

2014年7月31日

トコロチャシ跡遺跡

トコロチャシ跡遺跡

 トコロチャシ跡遺跡は史跡常呂遺跡を構成する常呂川右岸台地竪穴群のうち、北側の地区に相当し、常呂川右岸台地の標高15~20mの一帯に広がっています。平成14年9月に隣接するトコロチャシ南尾根遺跡とともに、史跡常呂遺跡として追加指定を受けました。
 縄文時代早期以降、アイヌ文化期まで各時期の遺構や遺物が出土しており、北海道東部の文化の変遷をたどることができる遺跡となっています。縄文時代前・中期、続縄文時代の資料も比較的多く出土していますが、特に注目されるのがオホーツク文化に関する資料であり、竪穴住居跡が10基以上あるほか、墓地なども見つかっています。台地の直下に位置する常呂川河口遺跡でもオホーツク文化期の集落跡が見つかっており、謎の多いオホーツク文化の人々の生活を知る上でも重要な遺跡です。

 

遺跡データ
 遺跡名 トコロチャシ跡遺跡 [国指定史跡(常呂遺跡)]
(TK-19遺跡)
 所在地 北見市常呂町常呂
 立 地 常呂川に面した標高10~23mの段丘上
 時 代 縄文(早・前・中・後・晩期)・続縄文・擦文・オホーツク・アイヌ
 遺構・遺物 竪穴住居跡、チャシ跡
土器・石器・骨角器・木製品・鉄器・青銅器
 現 況 耕作地
 文 献  東京大学文学部考古学研究室 1972『常呂』
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室・常呂研究室 2001『トコロチャシ跡遺跡』
宇田川洋・熊木俊朗 2003 『居住形態と集落構造から見たオホーツク文化の考古学的研究:平成11年度~平成14年度科学研究費補助金 基盤研究(B-2)研究成果報告書』
東京大学大学院人文社会系研究科考古学研究室・常呂実習施設 2002『トコロチャシ跡遺跡群の調査:トコロチャシ跡遺跡・同オホーツク地点及び「常呂遺跡」の史跡整備に関する概要報告』
東京大学大学院人文社会系研究科考古学研究室・常呂実習施設 2012『トコロチャシ跡遺跡オホーツク地点』

 

トコロチャシ跡

トコロチャシ

 トコロチャシは常呂のアイヌが斜里のアイヌと戦った際に利用したとの伝承も伝わるチャシで、常呂川とオホーツク海に面した台地の端部に「L」字形の壕を刻み、四角い区画がつくられています。壕内部の区画の広さは45m×30mの規模に及びます。

 壕があることからチャシの存在は古くから知られていましたが、その後東京大学文学部考古学研究室により発掘調査が実施され、チャシの全容が明らかにされました。
 壕は1度に掘られたものではなく、新旧2本の壕がほぼ重なって存在することが分かり、また壕に沿って柵が築かれていたことが分かりました(写真は柵のあった位置に杭を立てて再現しています)。
 また、チャシの内部ではアイヌ人の墓が1基見つかっています。

 

オホーツク文化の集落跡

9号住居跡

 トコロチャシ跡遺跡では竪穴住居跡が10基以上存在することが確認されており、これまでにオホーツク文化期の住居跡が6基発掘されています。調査の結果、住居跡からは木材や動物骨を含む多数の資料が見つかりました。
 写真は9号竪穴住居跡で、六角形の掘り込みは12.4m×9.2mの規模のものです。内部にめぐっている溝は壁材の板が並べられていた跡で、掘り込みの最外部を囲うもの1列、その内側に2列の溝があることから、この住居は内側に縮小するかたちで、3回の建て替えが行われたことが分かっています。周辺ではこうした建て替えの痕跡のある住居跡が複数見つかっています。中央の石で囲われた四角い部分は炉のあった場所です。

 

お問い合わせ

北見市教育委員会社会教育部
ところ遺跡の森

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