ところ遺跡の館展示案内:縄文時代

2015年8月27日

縄文時代

 約15000~11000年前にかけて起こった気候変動により、氷河期が終わって温暖な時代が始まりました。こうした環境変化によって人々の暮らしも変わり、広い範囲を移動する生活から定住的な生活へと変化していきました。またこの頃から粘土を焼いて作ったうつわ、土器が使われるようになりました。この頃の土器は、表面に縄を転がして模様をつけた土器が多く、そのため縄文土器と呼ばれています(中には縄文のない土器もありますが、それらもひっくるめて縄文土器と呼ばれています)。そしてこの縄文土器が使われた時代のことを「縄文時代」と呼んでいます。
 現在北海道で見つかっている最も古い土器は約14000年前かそれ以上前のものとされています。しかし北海道では旧石器時代と縄文時代との間の時期は遺跡が少なく、このため北海道の縄文時代の始まりについては、はっきりとしたことは分かっていません。
 1万年以上にわたって続いた縄文時代は、草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の6つの時期に区分されていますが、北海道で多くの遺跡が残されるようになるのは約10000年前より後、早期以降になります。長い縄文時代には、暮らしや文化にさまざまな変遷が見られました。
 展示では、縄文時代に使われた土器・石器などの道具の変遷を、縄文時代の初め頃、半ば頃、終わり頃と順を追ってご覧いただけます。
 

石刃鏃文化

 縄文時代早期、約8000年前に栄えた文化で、石を連続的に細長く打ち割って作った石刃(せきじん)と、その石刃の一端に尖らせる加工をして作った矢じり(石刃鏃:せきじんぞく)が特徴となっています。北海道を含む東北アジア一帯に類似した文化が広がっていることから、大陸からの影響下に形成されたものと考えられています。

石刃鏃石刃
【写真1 トコロチャシ跡遺跡出土の石刃鏃(左)と石刃(右)】

 トコロチャシ跡遺跡では長さ10cm以上の石刃がいくつも見つかっています。薄く、まっすぐで細長い石刃を作るのはかなり難しく、熟練の技が必要です。石刃はそのままナイフとして使えるほか、加工して矢じりなどを作る材料ともなっていました。

 

円筒形の土器と押型文の文化

円筒形土器押型文土器

【写真2 縄文の土器(左)と押型文の土器(右)】

 縄文時代前期後半から中期にかけては、円筒形で分厚い土器が多く作られました。土器の文様の付け方も独特で、縄を転がした縄文の土器(写真2左)ばかりでなく、木の棒に彫刻をし、それを土器の表面に転がすことによってパターン模様を付ける「押型文(おしがたもん)」という文様のもの(写真2右)が多く見られます。

 常呂地域では、縄文時代の中でもこの時期から多くの遺跡が残されるようになります。常呂地域に多くの人々が暮らすようになったのはこの頃からになります。

 

気候の温暖化と貝塚

 縄文時代前期から中期は、気候が総じて現在よりも暖かかったと考えられています。そうした中、縄文時代中期の終わり頃には、北見市内にも「貝塚」が残されました。貝塚とは大昔の人のゴミ捨て場のことで、特に貝殻が多く捨てられていることからこのように呼ばれています。

 北見市常呂地域にあるトコロ貝塚は、オホーツク地域でも最大級の規模をもつ貝塚です。トコロ貝塚では当時の人が食べたと考えられる貝の貝殻が数多く見つかっています。カキ、ホタテガイなど、現在の北海道でおなじみのものも多く見つかっていますが、ハマグリのように現在の北海道の海では寒すぎて生き残ることのできない貝も見つかっており(写真3)、当時のオホーツク海は今よりも温暖な気候であったことが分かっています。

マガキホタテガイハマグリ
【写真3 トコロ貝塚で見つかった貝殻(左からマガキ、ホタテガイ、ハマグリ、ヤマトシジミ)】

 

デザインの多様化した土器の文化

晩期土器
【写真4 晩期の墓に副葬された土器】

勾玉
【写真5 晩期の墓に副葬された勾玉】

 縄文時代後期になると、一転して気候が寒冷化し、遺跡が非常に少なくなります。一方でこの頃から、用途に応じた土器の作り分けが進み、様々な形の土器が作られるようになっていきました。
 縄文時代晩期には、土器の形や文様などの装飾の多様化がさらに進み、華やかな土器が多く作られる時代になります。
 写真4はこの頃のお墓に埋められていた土器です。この頃には一部の人のお墓に様々な物品を一緒に入れる風習が見られるようになります。このお墓では11個もの土器が埋められていました。赤い漆で着色された痕跡があり、中には人の顔をイメージさせる模様のものもあります。また、別のお墓には勾玉(まがたま)が埋められていました(写真5)。勾玉はヒスイという緑色の石が使われていますが、これは常呂から900km以上離れた新潟県糸魚川(いといがわ)で採れるもので、当時としても大変貴重なものであったはずです。

 

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