「ところ遺跡の森」便り

2019年12月1日

 

 「ところ遺跡の森」便りは北見市常呂自治区内で『広報きたみ』に折込で配布されている社会教育情報内に毎号掲載しているものです。
 イベント案内をはじめ、考古・自然など「ところ遺跡の森」に関連する情報を毎月お届けしています。
 (毎月初め更新予定。ここに掲載したものは、写真・文章は当初掲載時のものから一部変更している場合があります。)

2019年10~11月号はこちら

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2019年 12月号 『記念物100年』展開催中

 「文化財保護法」では、歴史上・学術上価値の高い遺跡、芸術上・鑑賞上価値の高い名勝地、学術上価値の高い動植物・地質鉱物を総称して「記念物」と呼んでおり、その中でも特に価値の高いものが史跡・名勝・天然記念物に指定されています。

 日本における記念物保護の制度は1919年施行の『史蹟名勝天然紀念物保存法』(史蹟・天然紀念物は史跡・天然記念物の当時の表記)で初めて定められました。今年は記念物保護制度が始まって100周年に当たり、文化庁によって記念物100年の記念事業も行われています。その一環として「ところ埋蔵文化財センター」(入場無料)でも『記念物100年』展を来年3月31日まで開催中です。記念物保護の制度や各地の記念物保護の取り組みを紹介したパネルを展示するとともに、北見市にある記念物と文化財についても合わせて紹介しています。北見市指定文化財のうち、遺跡の出土品である3件は実物を展示しています。

 北見市にある記念物としては、国指定史跡「常呂遺跡」がある他、北海道や市が独自に指定したものがあります(下の表参照)。「北見市指定文化財」は記念物の他、有形文化財等も含んでおり、現在計13件が指定されています。いずれも北見の歴史・文化・自然を語るのに欠かせない貴重なものです。この機会に地域の文化財について改めて知っていただければと思います。

記念物100年展
▲『記念物100年』展・会場のようす(写真手前は北見市指定文化財・中ノ島遺跡出土土器)

 

【北見市内に所在する国・道・市指定の文化財】
指定 種別 名称 所在地
記念物/史跡 常呂遺跡 北見市常呂町字常呂、岐阜、栄浦
記念物/天然記念物 温根湯エゾムラサキツツジ群落 北見市留辺蘂町字花丘
市(第1号) 有形文化財/建造物 屯田兵屋 北見市公園町1番地 北網圏北見文化センター
市(第2号) 民俗文化財/有形 屯田兵人形 北見市川東412番地 信善光寺
市(第3号) 民俗文化財/有形 ピーボディ・マルチニー銃 北見市公園町1番地 北網圏北見文化センター
市(第4号) 有形文化財/美術工芸品 広郷遺跡の出土遺物 北見市公園町1番地 北網圏北見文化センター
市(第5号) 有形文化財/美術工芸品 中ノ島遺跡の出土遺物 北見市公園町1番地 北網圏北見文化センター
市(第6号) 有形文化財/美術工芸品 北進遺跡の出土遺物 北見市公園町1番地 北網圏北見文化センター
市(第7号) 記念物/史跡 鎖塚の区域 北見市端野町緋牛内842番地8
市(第8号) 有形文化財/建造物 旧野付牛屯田第四大隊第一中隊本部被服糧秣庫 北見市端野町一区649番地1 一区神社
市(第9号) 記念物/天然記念物 緋牛内の大カシワ 北見市端野町緋牛内780番地2、780番地7
市(第10号) 有形文化財/建造物 ピアソン記念館 北見市幸町7丁目4番28号
市(第11号) 有形文化財/建造物 ハッカ記念館 北見市南仲町1丁目7番28号
市(第12号) 有形文化財/建造物 武華駅逓 北見市留辺蘂町滝の湯127番地
市(第13号) 記念物/天然記念物 カタクリ及び周囲の北方性落葉広葉樹林 北見市端野町二区

 

2019年 10月号 大島2遺跡の発掘調査

 毎年夏に実施されている東京大学常呂実習施設による発掘調査が8月21日~9月11日に行われました。今年は大島2遺跡(常呂町字東浜、森林公園近く)で擦文時代の竪穴住居跡が発掘されています。

 8月31日に行われた発掘現場の見学会では、住居跡内から横倒しになった土器が出土している様子などを見ることができました(写真)。

 今回発掘されている住居跡は1辺約6mの正方形をしています。この大きさの住居跡では「かまど」が1基あるのが普通ですが、この住居跡では2基見つかりました。2家族が共同生活していたなど、他の住居とは違った事情があったのかもしれません。

 また、住居跡の壁際や床面近くから炭化材が見つかっています。これまで発掘された住居跡と同様に、失われた屋根部分の木材等が炭になって残っているようです。この部分の詳細な発掘は来年継続して行われる予定ですので、来年の見学会では今回とは違った姿を見られるでしょう。

遺跡見学会の様子
▲遺跡見学会の様子

 

2019年 11月号 続縄文時代の竪穴住居

 ところ遺跡の森では今年の9月、続縄文(ぞくじょうもん)時代の復元竪穴住居が完成し、公開を開始しました。

 遺跡の森では「擦文(さつもん)の村」と「続縄文(ぞくじょうもん)の村」とで異なる時代の住居を再現しています。どちらも茅葺(かやぶき)の竪穴住居ですのでどの部分がそれぞれの特徴なのか分かりづらいかもしれません。

 擦文時代の住居(約900年前)は整った正方形で、壁際にかまどが作られています。今回建て替えた続縄文時代の住居(約2000年前)は楕円形をしており、内部にたき火をした場所がありました。竪穴が出っ張っているのが特徴で、出入口を突出させることにより外気を遮断しやすくする工夫だったと考えられています。また柱や梁は、擦文時代の住居が皮をむいた材木で復元したのに対し、続縄文時代の住居では皮付きの材木で復元しました。鉄器が多く普及した擦文時代とは木材加工技術に差があったと想定した復元ですが、この部分ははっきり分かっているわけではありません。その他にも違った造りで想定復元した箇所がいくつかあります。ぜひ現地で見て確認してみてください。

 積雪が多くなると「続縄文の村」へ行くのが難しくなる場合もありますので、見学には冬の前がおすすめです。

続縄文時代の復元竪穴住居
▲続縄文時代の復元竪穴住居

復元竪穴住居の内部
▲復元竪穴住居の内部

 

 

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北海道北見市常呂町字栄浦376番地
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