縄文時代前期末から中期の土器
2020年5月28日
縄文時代前期末から中期・後期初頭にかけて、オホーツク海沿岸地域ではバケツを細長くしたような形をした、円筒形の土器が流行しました。
大まかに分けると、縄文時代中期前半までは「押型文(おしがたもん)」と呼ばれる文様を使った土器が多く、中期後半からは大部分が縄文でおおわれた土器が中心になります。後者の、中期後半から後期初頭の土器は「北筒式土器(ほくとうしきどき)」という名前で知られています。
縄文時代前期末~中期前半の土器
約5500年前から、5000年前ころまでの土器です。この時期の土器に特徴的なのは「押型文(おしがたもん)」と呼ばれる文様です。これは、丸い木の棒の側面に波形や格子目形の模様を彫刻し、この木の棒を土器の表面に転がしてパターン模様をつけたものです。押型文以外にも、櫛歯文(くしばもん)や竹管文(ちくかんもん)などを用いた土器が作られました。
櫛歯文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約22cm
■ 縄文時代前期末 ■ 約5500年前
櫛のように細い棒が横一列に並んだ工具で突いた文様が全面に使われた土器。7本を1単位とした工具を使い、水平方向に並ぶかたちで規則的に文様がつけられています。
上端に丸い穴(貫通はしていない)が並んでいますが、これはこの時期の土器の多くに共通して使われる文様です。
円形竹管文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約38cm
■ 縄文時代前期末 ■ 約5500年前
竹のような管状のものを切断し、その切断面を押した円形の文様を使った土器。
この土器にも上端に丸い穴が並んでいます。
押型文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:推定約50cm前後(底部欠)
■ 縄文時代前期末~中期前半 ■ 約5500年前
押型文を使った土器。長方形が並ぶパターンと山形(ジグザグ形)のパターンが交互に現れています。
押型文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約48cm
■ 縄文時代前期末~中期前半 ■ 約5500~5000年前
押型文を使った土器。長方形が並ぶパターンと山形(ジグザグ形)のパターンが交互に現れています。口の部分が波うった形になっています。こうした形の土器の口を波状口縁(はじょうこうえん)と呼んでいます。
押型文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約51cm
■ 縄文時代前期末~中期前半 ■ 約5500~5000年前
押型文を使った土器。矢羽状のパターンを縦横に組み合わせて文様がつけられています。
押型文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約29cm
■ 縄文時代前期末~中期前半 ■ 約5500~5000年前
押型文を使った土器。格子目状のパターンが帯状に5段つけられています。
押型文土器

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約44cm
■ 縄文時代前期末~中期前半 ■ 約5500~5000年前
押型文を使った土器。格子目状の押型文と無文の部分とが帯状に重ねられています。格子目状の押型文は4段つけられています。
縄文時代中期後半~後期初頭の土器
約4500年前から、4000年前ころまでの土器です。「北筒式土器(ほくとうしきどき)」という名前で知られる、円筒形の縄文土器が作られた時期です。北筒式土器の時期は数百年あり、土器の形や作りが少しずつ変化しているため、さらにいくつかに分類して呼ばれています。
北筒式土器(トコロ6類)

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約35cm
■ 縄文時代中期後半 ■ 約4500年前
北筒式土器の中で最も古いグループのものは「トコロ6類土器」と呼ばれています。これは北見市トコロ貝塚で発見された土器に由来して呼ばれているものです。口の部分がやや分厚く作られ、その下に丸い穴がめぐります。胴部は下まで隙間なく縄文がつけられています。
北筒式土器(トコロ6類)

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 残存部の高さ:約33cm(底部欠)
■ 縄文時代中期後半 ■ 約4500年前
口の部分に丸い穴がめぐり、胴部は縄文がつけられています。縄文の部分に波形の線が入っていますが、これは縄の端に結び目を作っておいて転がすことによってつけられたものです。
北筒式土器(トコロ6類)

■ 常呂川河口遺跡出土 ■ 高さ:約23cm
■ 縄文時代中期後半 ■ 約4500年前
高さ約23cmのやや小型の土器です。小型になってもデザインの基本構成は変わらず、大型の土器をそのまま縮小したような形になっています。
北筒式土器(細岡式)

■ 栄浦第二遺跡出土 ■ 高さ:約54cm
■ 縄文時代中期末 ■ 約4500年前
細岡式(ほそおかしき)土器は北筒式土器の中でも新しいグループの土器です。口の部分は分厚い帯状になっています。
※この土器は国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の常設展示に貸出・出品中です。
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