ヌプンケシ19号

北見市企画部(市史編さん担当) 〒090-8501 北見市北5条東2丁目 TEL0157-23-7111(代)


市史編さんニュース NO.19
タイトルヌプンケシ
平成14年3月1日発

文書等利用機関・団体等職員研修会報告
  北海道立文書館の主催で、2月13・14日の2日間、札幌の「かでる2・7」にて、平成13年度文書等利用機関・団体等職員研修会が開催され、筆者も参加させて頂きましたので、これからの行政に参考と思われることを中心に、かいつまんで報告したいと思います。

画像本とノート

☆[地域社会と文書館] 
 講師の山田博司主任文書専門員からは、文書館の概論と課題について講義がありました。
 まず、文書館と図書館・博物館の違いを、下記のようにしめされました。
区分 収集対象 整理方法 利用形態 その他
図書館 図書 1冊単位(日本十進分類法) 貸出中心   
博物館 実物 ケース・バイ・ケース 展示一観覧   
文書館 文書 1点単位(群として纏める) 閲覧のみ コピー不可・写真撮影可

 (これに、筆者から補足させて頂くと、文書館・博物館は収集資料の研究機能を有し、図書館にはそれがなく、情報提供が中心になっている違いもあります。)

 文書館でコピーできないのは、強烈な光による資料劣化を防止するためであり、また貸出をせず閲覧のみなのも貴重な文書の保存を配慮して、とのことでした。
 課題は、次のとおり。(1)「法の整備と充実」。公文書館の設置が自治体の責務であって義務でなく、その専門職員も当分置かないことができるということで、養成制度、認定制度が無整備なこと/(2)「秘密の保護と資料の公開」。個人情報の保護について、現用・半現用の公文書については情報公開法で判断することができるが、非現用については決まった基準がない。/(3)「情報公開制度と公文書保存」。情報公開するために、文書管理を進めることになるが、非現用文書は廃棄される可能性が高い。/(4)「市町村合併と公文書保存」。吸収される側の公文書が一括廃棄される可能性が高い。/(5)「電子化の促進と公文書保存」。電子媒体の保存年限、ハード機器使用年限など、まだ未確定な要素が多い。
 講師が強調されていたのは、「身近な問題として公文書保存を呼びかけてほしい」とのことでありました。 
☆[道立文書館における公文書の引継ぎについて] 
講師は同館資料課公文書係の吉田千絵氏で、親機関である北海道から文書館へどのようなシステムで引継ぎが行われるか、説明がありました。詳細は割愛させて頂くとして、文書の保存は最後にチェックするのではなく、原課で保存文書台帳を作成した時に、写しを同館に提出。館は保存すべきと判断される文書にシールを貼付して、原課に戻し、保存期間満了と共に、引渡しをうけるようになっています。また、これからの課題としては、電子情報の保存も検討する必要があるとのことでした。 
☆[資料の整理と目録づくり] 
 この講義は、同館資料課私文書係の石川淳・山田正両氏が分担されました。
 記録史料の《整理の目的》は「誰もが自由に」〜検索しやすく/「科学的に」〜他からの批判にたえる/「永続的に」〜将来にわたって/利用できるようにすることにある。
 また《整理の原則》は、「ア 出所原則」〜出所が異なる史料群の混在禁止/「イ 原秩序尊重の原則」〜もともとの史料の秩序を壊してはならない。/「ウ 原形保存の原則」〜史料をもともとあった形状で保存する、とのことでした。これらは、将来、この史料全体を分析する上で、大きな情報を提供することになるためです。いかに私文書を保存するか、文書館の職員の方が大変苦心されている様子が分かる講義でした。 
☆[博物館における資料の整理と国指定文化財関連文書資料の整理]  画像ふね
 留萌市海のふるさと館学芸員、福士廣志氏が留萌市にある「旧佐賀家」の漁場と、倉庫に収蔵されていた漁具を整理し、国指定史跡、国指定重要有形民俗文化財になるまでの過程をスライドをまじえて、説明されました。昭和33年にニシンがこなくなってから、ほぼ原形を保ったまま、ニシン漁場が前浜から家屋・道具一式ごとのこっている例は他になく、大変貴重なものです。明治20年代以降の帳簿類も発見されたそうですが、方言や勝手なくずし字があったり、解読に苦労されているとのことでした。お話を聞きながら、古い映画で月形龍之介と三船敏郎が出ていた『ジャコマンと鉄』のニシン漁を思い浮かべていました。しかし、今後の史跡整備は財政難もあり相当厳しいとのことでした。 
☆[歴史資料の保存と修復] 
 国文学研究資料館史料館の青木睦氏から、2時間にわたって熱意あふれる講義をお聞きして、実際に日々、史料の保存に心を砕かれている様子がわかりました。
 資料劣化の大きな要因の一つは「環境」にあり、最も悪いのは「寒暖の差」だそうで、筆者も思い当たる部分がありました。酸性紙をできるだけ劣化させないために中性紙で包む手法や箱に保管するなど、予算がないからと放置するのではなく、できることから保存と修復を進めるにはどうしたら良いか、色々と参考になりました。市販の糊はいずれも防腐剤等が入っていて、紙にはよくないそうで、複製本を作成している担当としては困惑してしまいました。(一番良いのは、四国工業写真という会社で生産されている糊だそうです。ない場合は、マヤト糊を薄めて使うしかないそうです。)また、蛍光マーカーも紙にはよくないそうですから、重要部分にマーカーを入れておいたのが、後年、すっぽりと劣化で抜け落ちていることもありそうです。セロテープの使用など、何の気なしにしていることが結構、後日、取り返しのつかない結果を生んでいるようです。気をつけましょう。

 《中庭だより》画像ねこ 
☆2月13日、市立図書館より、昭和63年に図書館に移管された、前回市史編さんで使用した資料の内、公文書の簿冊 419冊が返還されました。ダンボール箱にして18箱。ますます、事務室が狭くなってきました。内訳目録がないので、これから整備しなくてはなりません。この「宝の山」を前にして、思案投げ首、ため息をついています。
☆2月20日、1960年に発行された幻の本『ピアソン氏の想い出』を発行元の北見ロタリー・クラブさんの許可を得て、複製しました。ピアソン会の田村喜代治氏が歯科医の伊藤先生の所にあったのを発掘されたのです。貴重な資料発掘、ありがとうございます。
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