ヌプンケシ32号

北見市企画部(市史編さん担当) 〒090-8501 北見市北5条東2丁目 TEL0157-25-1039


市史編さんニュース NO.32
タイトルヌプンケシ
平成14年9月15日発行

◎北見と旭川にあった神田館
 前号で紹介した絵葉書の記事の中に、仁頃通りに面してあった映画館、「神田館」がありましたが、同名の映画館が旭川に存在していたことを読者の皆さんはご存じですか。
 本年3月、当職が旭川市の市史編集課さんから提供頂いた、旭川市開基100年記念誌『目で見る旭川の歩み』に「活動写真常設の第一神田館」の写真が掲載されています。
 下に載せた写真がそれで、右側にある5層の建物が、大正10年(1921)頃の第一神田館です。建物正面の尖った屋根が、北見とも共通しています。

大正10年頃の第一神田館の写真大正10年頃の第一神田館の写真

 昭和32年(1957)に刊行された『躍進北見の全貌』中の座談会「郷土を築いた人々」で、河西貴一翁が「一条東五丁目が浮世小路という料理屋街で、その角(今の岡村建設)に神田館という映画館があった。あれは旭川の神田床屋のオヤジが建てたんだ。」と、旭川との関係を示唆しています。こうした回顧談の中で、神田館はよく出てくるのですが、開館から閉館まで、どういう経過をたどったかは、かならずしも定かではありません。
 平成6年に発行された『懐かしの名画を観る会15周年記念誌』中に、それまで市内にあった色々な映画館の開館年から閉館年までの簡単な一覧表があり、それによれば神田館は「大正10年〜昭和13年」となっていますが、昭和11年8月に発行された『野付牛阿寒連絡観光地図』を見ると、神田館のあった1条東5丁目の角地はすでに空白になっています。
そうなると、この昭和13年閉館というのは、鵜呑みにできません。
 『ふるさと北見 写真集北見パートII』(昭和61年12月出版)にある神田館の写真(次ページ掲載)説明で「(大正10年)当時新市街地の発展がめざましかった頃、旧市街地の人々が更に東部の発展を期待してこの神田館を誘致したと言われる。」とあります。説明では交渉相手が記述されていませんが、それが旭川の「神田床屋」だったのでしょうか。
 市史編さん事務室が保管する、大正9年11月30日に挙行された神田館上棟式記念写真があります。それを子細に見ると「株式会社北見第一神田館」との垂れ幕がありました。
 市史編さん委員長水津仁郎氏のお話では、氏の御祖父さんが神田館関係で何千円という大損害を被ったそうですから、「旧市街地」の人々がこの「株式会社北見第一神田館」を設立したと推測されます。また、名称を「野付牛」第一神田館とせずに「北見」と冠したのも、北見国一帯に系列映画館を増やしていこう、との構想があったと思われます。

神田館の写真

☆遠軽に移築されていた冨士館=神田館
 同上の写真説明で「昭和期に入った神田館は経営がおもわしくなくなり、やがて解体されて遠軽で復元したと伝えられている」とありましたので、昭和52年発行の『遠軽町史』を参照したところ、大正2年開館の遠軽座が昭和「八年四月には大火で類焼したので、その後、大通り南一丁目の現在地に移り、北見の劇場(富士館)を買い入れて移築した」とありました。「富士館」という劇場を、私は今まで聞いたことがなかったので、多分、神田館の間違いだと思いましたが、念のため『北見市史』下巻を見ましたら、経過説明なしに「冨士館(前神田館)」という写真がありました。ということは、神田館は最後、経営者が替わったためか、「冨士館」に名を改めてから、遠軽に身売りしたということになります。これは私の完全な認識不足でした。
 これらの資料から見ると、神田館が昭和8年4月以降、昭和11年以前に野付牛から姿を消し、遠軽に移築されていたのは明らかですが、『遠軽町史』によれば、その後、「遠軽座」として再生された冨士館(神田館)も、昭和22年5月、惜しいことに類焼で灰燼に帰したそうです。

 《中庭だより》 
☆神田館について情報を得るために、遠軽町図書館さんにレファレンス(参考業務)をお願いしました。編集子は前に図書館に勤務し、遠軽町図書館の職員の皆さんとも北見地域図書館ネットワークシステム構築で一緒に仕事をしてきましたので、調査趣旨を説明すると、快く引き受けられ、その上『遠軽町百年史』まで提供してくださいました。本当にありがとうございました。他市町職員であっても、共通課題で苦労してきたことが、交流を生み、人と人とのネットワークを創りだすことができるのを、図書館業務では実際に経験いたしました。
市史においても、これまで多くの先進都市の皆さんから、様々な面でご教示頂いております。
今後ともよろしくお願いいたします。
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