ヌプンケシ150号

北見市総務部 市史編さん主幹  〒090-8501 北見市北5条東2丁目 TEL0157-25-1039

市史編さんニュース NO.150
 タイトルヌプンケシ
平成20年9月1日発行

馬場酒造店のこと(5)

◇馬場酒造店の隆盛
馬場酒造店事務所写真 右の写真は馬場酒造店事務所を左正面から写したものです。その右端の倉庫が柾葺きであるので、事業をはじめて5年後くらいに撮ったものでしょう。その倉庫の上には天水桶が置かれています。この天水桶は雨水を溜めて、近所が火事になって火の粉が飛んできた時に、柾屋根に火が付かないように消火に使ったもので、トタン屋根等が普及するに連れて消えていきました。事実、これとは別に、事務所の外壁に「北見酒造組合事務所」の看板が掲げられ、右端の倉庫が二階建てになった写真もあります。その屋根は波板鉄板のようで、天水桶はありません。それで右の写真を馬場酒造店の初期と判断したのです。
 さて、その「北見酒造組合」ですが、これについては市史編さん事務室には今のところ、資料も情報もなく、いつ設立されたかもわかりません。ただ昭和9年(1934)発行の『北見大観』には、馬場昌久氏が「北見酒造業組合長」であったことが記されています。
 この酒造組合に関係した大判写真では、北見市内の学校で開催されたと見られる品評会の写真が3枚、「第2回東北海道酒造組合品評会」(開催地不明)の写真1枚、根室町で開催された「第3回東北海東北海道酒造組合品評会写真道酒造組合品評会」の写真2枚、網走町で開催された「第4回東北海道酒造組合品評会」の写真2枚がありますが、残念なことに調査しても手がかりがなく撮影年は不明です。
 しかし、これらの写真から昌久氏は積極的に酒造組合の運営を進め、その輪を網走、根室まで広げて、道内清酒の品質向上に努力していたことがうかがえます。そして、昭和7年(1932)にはそれまでの努力が報われ、「銘酒北乃天」が第13回全国酒類醤油品評会に入賞しました。
 加えて、前号までに紹介したとおり、野付牛町内のみならず道内各所に支店・出張所を設け、販路を広げたわけで、それに比例して増産のために施設の拡充整備が進められたことは、前掲の『北見大観』に掲載された前ページの鳥瞰図からも推測することができると思います。
◇新酒造工場の建設
昭和10年7月21日横綱玉錦が建築現場へ来た時の写真 昭和9年(1934)から10年にかけて、昌久氏は勢いにのって新工場の建設を進めました。寄贈写真の中にその様子を撮ったものが多数あり、よく見ると「北乃天」名のトラックで資材を運んでいる写真もありました。馬場酒造店は自家用トラックも所有していたのです。
 右の写真は昭和10年7月21日、地方巡業のために来町していた横綱玉錦が建築現場へ来た時の写真です。横綱が表敬に来るほど、昌久氏は町の有力者であったということでしょう。この新工場の完成年ついては資料が無く正確には不明ですが、昭和10年末か11年春と見ています。
 今回寄贈のあった下の鳥瞰図で、初めてこの新工場の裏に酒の神様を祭った松尾神社や、園遊会ができる庭園が配置されていたことが明らかになりました。そして、松尾神社関係の写真が5枚あり、庭園については消防組の慰労会や、町民相手に「観桜会」を開催している写真があり、かなり広い面積であったことがわかりました。ここらが映像資料の重要なところです。
支那事変が始まったころの写真・・・?◇宣伝映画も製作
 昭和39年(1946)6月10日付『北見新聞』の特集『街』に、昌久氏が宣伝映画を製作したという次の記事がありました。
 「馬場昌久さんは清酒『北の天』醸造所のご主人、屯田町に大きな酒醸所を建て、北海道酒造界に気を吐いていた。支那事変がはじまったころだったと思うが、馬場さんがいまでいうPR映画の野付牛での本格的先べんをつけたことがある。道内を行脚している昭和の弥次郎兵衛・喜多八が野付牛に降り立って人気の高い『北の天』醸造所を訪問、振舞い酒に酔うまま野付牛公園に遊ぶ−というのがそのストリー。製作スタッフや役者の名は忘れたが、とにかく馬場さんは宣伝ということにはいつも新しい感覚で推していた人だと多くの人が語っている。(後略)」
 支那事変=日中戦争が始まった頃というのですから、昭和12年(1937)頃ということでしょうか。その頃に自店の宣伝映画を製作したというのですから、大したものですね。(続く)


《中庭だより》
☆8月18日、市民が「北見のアイヌについて、教えてほしい。」と当室に飛込んできました。少々あわてました。というのは、北見地域のアイヌについての資料は、菅原政雄先生が著した文章数編と端野自治区の町史関係くらいしかありません。その資料を探し出して説明しながら、これも今後の市史編纂の研究課題の一つだと痛感した次第です。
よくある質問のページへ

教育・文化

教育委員会

スポーツ

青少年

生涯学習

学校教育

文化施設

姉妹友好都市・国際交流

歴史・風土

講座・催し

図書館