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「ところ遺跡の森」便り【2026年4月~】

 「ところ遺跡の森」便りは北見市常呂自治区内で『広報きたみ』に折込で配布されている社会教育情報内に毎号掲載しているものです。
 イベント案内をはじめ、考古・自然など「ところ遺跡の森」に関連する情報を毎月お届けしています。
 (毎月初め更新予定。ここに掲載したものは、写真・文章は当初掲載時のものから一部変更している場合があります。)

以前の記事は以下のリンクからご覧ください。

2026年8月号 「遺跡見学会」開催のお知らせ

 8月29日(土)、「遺跡見学会~東京大学の遺跡発掘現場を特別公開」を開催します。
 発掘現場の大島1遺跡では、今年度、続縄文時代のものと考えられる竪穴住居跡の調査が行われる予定です。詳しいことはこれから始まる調査次第となりますが、これまでの調査で続縄文時代の土器片が見つかった地点であり、今後、さらなる発見が期待されています。
 合わせて、トコロチャシ跡遺跡群ほか、発掘現場の周辺もご案内します。
 ご参加には事前の申し込みが必要です。以下の内容をご確認の上、電話にてお申し込みください。

日時
8月29日(土)10:30~12:00  ※荒天の場合、9月5日(土)に延期。
集合場所
常呂図書館前
定員
10人(先着順)※小学生以下の場合は保護者の方とご参加ください。
申し込み方法
8月7日(金)9時~受付。
ところ遺跡の館 (0152)54-3393までお電話の上、(1) 見学会への参加者氏名と(2) 当日の連絡先(中止等の場合ご連絡します)をお伝えください。

 一部、山林の中に入りますので、歩きやすい靴・汚れてもよい服装で、虫よけ対策をしてご参加ください。
 荒天により延期の場合は当日9:00~9:30に電話連絡します。

集合場所(常呂図書館前)

続縄文時代の竪穴住居

 今年発掘調査が行われる地点は、続縄文時代の竪穴住居跡であることが予想されています。続縄文時代の竪穴住居には、竪穴が独特の形状をもったものがありました。たとえば、下の写真のものが典型的です。竪穴の本体部分は円形または楕円形をしているのですが、写真の上方に細長く出っ張った部分があります。

発掘された竪穴住居跡
【続縄文時代の竪穴住居跡(常呂川河口遺跡・107号竪穴)】

 この出っ張りは、竪穴住居の出入口に相当する部分だったと考えられています。そしてこのように出っ張りを設けた竪穴は、続縄文時代前半期に特徴的なものです。今年発掘が行われる竪穴住居跡は、半分くらい埋まり、くぼんだ状態で残っていました。くぼみの形が北側に出っ張りをもつように見えることから、現段階では続縄文時代のものと推定されています。さらに、昨年度の調査では、竪穴の周辺部で続縄文時代前半期の土器片(宇津内IIb式土器)も発見されています。
 この予想が当たるかどうか、調査の進展が待たれるところです。

2026年7月号 縄文時代の赤

 縄文時代の遺物には、赤い色が付けられたものがあります。常呂の遺跡でも、赤い彩色のある土器や、赤漆を使った櫛が見つかっています。いずれも縄文時代晩期の墓から見つかったものです。土器はかなり色が落ちてしまっていますが、文様の一部を赤く塗ったものがあったようです。日常で使うものではなく、死者を送るために特別に用意したものであろうと考えられています。

人面文様の土器
【写真1】赤い彩色のある土器
人面文様の土器の一部拡大
【写真2】写真1の土器から、彩色が残る部分の拡大

 縄文時代の赤い塗料は、赤い鉱石を粉末にしたものでした。代表的なものとしては2種類あります。1つは赤鉄鉱を材料にしたベンガラ、もう1つは水銀朱、すなわち辰砂(しんしゃ)と呼ばれる硫化水銀の鉱石を材料にしたものです。塗料にする際には、かなり細かくなるまで粉にする必要がありました。また、ベンガラは、鮮やかな赤色にするため、高温で加熱した場合もあったようです。いずれにしてもかなり手間のかかる工程で作られています。ちなみに、この2つは日本画で使う岩絵具の材料として、現代でも使われているものです。
 どちらの鉱石を使ったか調べることもできるのですが、貴重な資料を一部壊す必要があることもあって、あまり調べられていません。中には、ベンガラと辰砂の両方を使ったものもあったようです。

赤漆塗りの櫛断片
【写真3】赤漆塗りの櫛断片

 写真3は、縄文時代晩期の墓から出土した、櫛の断片です。これだけでは櫛に見えないと思いますが、櫛歯の部分は全く残っていません。櫛歯を束ねていた部分が断片的に残っているのですが、木でできた本体部分はすっかり失われ、外側に塗られた赤い漆の膜だけの状態になっています。この漆の膜は一部を切り取って顕微鏡観察が行われており、赤色にはベンガラに水銀朱を混ぜたものが使われたことが分かっています。

2026年6月号(号外) 「古代遺跡×朗読×民族楽器で聴く『オホーツク街道』」を開催しました

 5月23日(土)、トコロチャシ跡遺跡群公開特別企画「古代遺跡×朗読×民族楽器で聴く『オホーツク街道』」を開催しました。
 山崎ひとみさんによる朗読(司馬遼太郎著『街道をゆく38:オホーツク街道』からの抜粋)と、バンド「ルイカ」による民族楽器演奏が、チャシ跡内の竪穴内をステージとして行われました(背景にはオホーツク海が見渡せます)。
 ご来場いただいた皆さま、そして出演者の皆さま、まことにありがとうございました。

民族楽器演奏のようす

2026年6月号 黄色い粉の正体

 春から夏にかけては、入れ替わりでさまざまな草花が咲きます。このコーナーでも紹介したことがありますが、遺跡の森では6月、エゾノタチツボスミレやオオバタチツボスミレなどの花が見られます。
 草花以外に、樹木も花を付けます。たとえば最近、屋外のあちこちで黄色い粉を見かけることはありませんでしょうか。よく目立つのは自動車の上に落ちたものですが、雨の後は水たまりの周りに溜まっていることもあります。

地面に溜まった“黄色い粉“
地面に溜まった“黄色い粉“

 どうやらこの黄色い粉は北海道だけでなく日本各地で見られるようで、正体はマツの花粉だという情報が報道されていました。
 常呂で見られるのも同じものなのか正体を確かめるため、遺跡の森の地表から回収した黄色い粉を顕微鏡で観察してみました。

マツの花粉の拡大写真と略図
拡大して見たマツの花粉

 拡大するとただの球体ではなく、大きい球に小さい球が2つ結合した形をしています。この形がマツの花粉の特徴で、花粉の本体に気嚢(きのう)と呼ばれる小さな風船が2つ付いた形をしています。マツの花粉はスギの花粉などに比べて粒が大きいのですが、このような形をしているので風を受けて木から遠く離れた場所まで飛んでいくわけです。ちなみに、顕微鏡ではあまり黄色く見えず、とくに花粉の本体部分は透き通って見えます。
 花粉は掃除してもすぐまた飛んでくるので困りものですが、マツの開花時期が過ぎれば収まります。例年通りであればそろそろ落ち着くはずです。

2026年5月号 ところ遺跡の森・春の行事予定その2

 5月は森の中にさまざまな花が咲き、野鳥もにぎやかにさえずる季節です。蚊などもまだ少なく、散策にはちょうど良い時期と言えます。今月は以下のイベントを予定していますのでぜひご参加ください。

(1)トコロチャシ跡遺跡群公開特別企画「古代遺跡×朗読×民族楽器で聴く『オホーツク街道』」

 トコロチャシ跡遺跡を会場に、司馬遼太郎著『街道をゆく38 オホーツク街道』からの朗読と民族楽器バンド「ルイカ」による楽曲演奏を通して歴史に親しむイベントです。

【日時】5月23日(土)、14時~15時(13時30分開場)
【会場】トコロチャシ跡遺跡群

事前申し込み等は不要ですので、当日、会場に直接お越しください。

詳しい情報は、以下のリンク先のページをご覧ください。

(2)ところ遺跡の森と春の自然観察会

 遺跡と出土品、そして森の春の自然を、解説付きでゆっくり歩いて楽しむイベントです。

【日時】令和8年5月10日(日) 、9時30分~12時
【会場】ところ遺跡の森

 参加費・事前申し込み(先着順)が必要です。5月2日(土)9時より北網圏北見文化センターにて電話受付。

【受付電話番号】(0157)23-6700

詳しい情報は、以下のリンク先のページをご覧ください。

2026年4月号 ところ遺跡の森と関連施設・春の行事予定

 春を迎え、遺跡の森でも雪解けが進んできました。冬季は通行ができなくなっていた敷地内の園路も4月後半には積雪がなくなる見込みです。これに合わせてところ遺跡の森では、冬季閉鎖していた施設の公開再開やイベントを予定しています。

(1)トコロチャシ跡遺跡群公開開始

 冬季閉鎖していたトコロチャシ跡遺跡群の公開を4月29日(水・祝)より再開します。園路を開放するほか、オホーツク文化竪穴住居再現展示施設やバイオトイレもご利用いただけるようになります(午前9時から午後5時まで)。
 トコロチャシ跡遺跡群についての詳細は以下のページをご覧ください。

(2)ところ遺跡の森スタンプラリー

 昨年11月まで実施していたスタンプラリーを今年度も開催します。ところ遺跡の森内の施設をめぐってスタンプを集めた方に、もれなく記念品を差し上げます。記念品は出土品の石こう模型です。夏以降には種類を追加していくことを予定しています。
 スタンプを集めるには遺跡の森のほぼ全体を回る必要があります。展示等を見ながら回った場合、おおよその所要時間は1時間程度です。すこし大変ですが、ぜひ挑戦してみてください。
 開催期間は4月18日(金)から11月末までを予定しています(積雪の状況により、開始・終了を早める場合があります)。
 4月末から5月は、蚊などの虫が少ない一方で、野鳥のさえずりや草花を楽しめる、森の散策には最も良い時期です。この機会にぜひ訪れてみてください。


お問い合わせ
北見市教育委員会社会教育部
ところ遺跡の森
郵便番号:093-0216
住所:北海道北見市常呂町字栄浦371番地
電話:0152-54-3393
FAX:0152-54-3538

お問い合わせは、以下のフォームをご利用ください。

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