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国指定史跡「常呂遺跡」の構成遺跡である「トコロチャシ跡遺跡群」は、令和6(2024)年まで整備工事を実施してきました。このたび工事が完了し、令和7(2025)年4月後半からの施設公開を予定しています。
トコロチャシ跡遺跡群の公開期間は4月の雪解け後から11月までです。冬季は閉鎖します。
遺跡への入口は常呂川沿いを走る道路に面した場所にあります。河川敷地内に駐車場を設けており、大型車の駐車も可能です。
遺跡は入口広場から階段を上がった場所にあります。1周約600mの歩行者用園路をが設置されており、敷地内を散策することができます。
遺跡の一角は、オホーツク文化後期(8~9世紀頃)の集落遺跡であり、竪穴住居跡や墓が発見されています。そのうち一部を再現展示しています。
オホーツク文化の竪穴住居1棟について、当時の住居内のようすを再現展示しています(屋根部分は再現していません)。展示施設の周囲には、大きな窪みの状態で残るオホーツク文化の竪穴住居跡が複数あります。この地点には、少なくとも15基のオホーツク文化の竪穴住居跡があったことが分かっています。そのうちの一部は、発掘調査以前から地表に窪んだ地形として残っていました。
集落に隣接する区域には墓地が設けられていたようです。オホーツク文化は独特の埋葬方法で知られており、死者の顔に土器をかぶせて埋葬する風習がありました。かぶせた土器の底部が地表に出た状態の墓がある一方、かぶせた土器まで完全に埋めてしまい、地表に石を並べた墓もあったようです。ここでは、この2つのパターンを再現してあります。
敷地の北端部にあたる地点には、18世紀・アイヌ文化期のチャシ跡が残されています。チャシは、崖に面した個所を空堀で区画して築かれていました。空堀に面して杭穴が発見されていることから、チャシは柵で囲われていたと考えられています。ここでは柵列と空堀を渡る橋を設け、チャシが利用されていたころのようすを再現しています。
チャシは、オホーツク文化の集落遺跡の一部を破壊するかたちで築かれています。オホーツク文化の竪穴住居跡が、チャシの内部に取り込まれる状態で残っていました。チャシが利用されていたころには、住居跡の窪地を利用して物送りの儀式が行われていたことが分かっています。
このチャシは常呂川の河口部からオホーツク海まで見渡せる位置にありました。夏季には樹木の葉が茂って視界が遮られてしまいますが、それ以外の季節には、現在でも当時と変わらない眺望を確かめることができます。
トコロチャシ跡遺跡群では1960年に初めての発掘調査が行われて以来、断続的に調査が行われてきました。これまでの発掘調査の成果については、以下のページでご紹介しています。
お問い合わせ |
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北見市教育委員会社会教育部 ところ遺跡の森 郵便番号:093-0216 住所:北海道北見市常呂町字栄浦371番地 電話:0152-54-3393 FAX:0152-54-3538 |