トコロチャシ跡遺跡群の一般公開
トコロチャシ南尾根遺跡を含む「トコロチャシ跡遺跡群」は、令和7年4月29日より一般公開しております。公開期間は4月の雪解け後から11月までで、冬季は閉鎖します。施設詳細は下記のリンクをご覧ください。
以下では、トコロチャシ南尾根遺跡の発掘調査についてご紹介します。
トコロチャシ南尾根遺跡
トコロチャシ南尾根遺跡は史跡常呂遺跡を構成するトコロチャシ跡遺跡群のうち、南側の地区に相当します。遺跡に隣接して国道238号線が走っていますが、本来はこの部分にも遺跡が広がっており、国道の建設工事に先立つ発掘調査でも遺構や遺物が発見されています。遺跡のうち現存する範囲は、隣接するトコロチャシ跡遺跡と共に平成14年9月、史跡常呂遺跡として追加指定を受けました。
遺跡は常呂川に面する標高15~25mの段丘のうち、南側に伸びる尾根上を中心に広がっています。地表面の測量調査と発掘調査により現在まで50基の竪穴住居跡の存在が確認されており、未発見のものも含めると60基程度の竪穴住居跡がこの地区にあったものと推測されます。これらの竪穴住居には縄文時代中期・後期・晩期、続縄文時代、擦文時代のものが含まれ、またトビニタイ式土器の時期に属する可能性のある竪穴住居もあります。発掘調査された範囲は限られていますが、遺跡が少ない縄文時代後期の竪穴住居が発見されているほか、擦文時代の竪穴住居では本州からの移入品である須恵器が出土した例もあるなど、貴重な成果が得られています。
| 遺跡名 | トコロチャシ南尾根遺跡 (TK-19遺跡)[国指定史跡(常呂遺跡)] |
|---|---|
| 所在地 | 北見市常呂町字常呂 |
| 立地 | 常呂川河川敷に面した標高15~25mの段丘上 |
| 時代 | 縄文(早・中・後・晩期)・続縄文・擦文・オホーツク(トビニタイ) |
| 遺構 | 竪穴住居跡、土坑 |
| 遺物 | 土器・石器 |
| 現況 | 草地、樹林(冬季以外公開中) |
| 文献 | (1)藤本 強 編 1976『トコロチャシ南尾根遺跡』 (2)常呂町教育委員会 1986『トコロチャシ南尾根遺跡:1985年度』 (3)東京大学大学院人文社会系研究科考古学研究室・常呂実習施設 2002『トコロチャシ跡遺跡群の調査:トコロチャシ跡遺跡・同オホーツク地点及び「常呂遺跡」の史跡整備に関する概要報告』 |
擦文時代竪穴住居跡の出土品
発掘された擦文時代の竪穴住居跡のうち1基からは、擦文時代の土器や土製品(写真・右側の3点)とともに須恵器(写真・左端)が出土しました。須恵器は窯で焼成された土器で、当時の北海道では生産されておらず、本州からの移入品であったものと考えられます。本州に近い道南部の擦文時代の遺跡では発見例も少なくありませんが、遠く離れたオホーツク海沿岸地方ではごく珍しいものです。本州からの品物の流れがこの地域まで至っていたことを示す、貴重な出土例です。
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