「ところ遺跡の森」便り:遺跡の森の自然

早春の花

 4月には遺跡の森でもようやく雪が姿を消し、春の花が咲く季節になりました。毎年雪解けと共に咲き始めるのがキタミフクジュソウやアズマイチゲです。

 黄色い花のキタミフクジュソウは近年、数の減少が心配されている稀少な植物ですが、遺跡の森では群生している箇所がいくつかあります。今年はキタミフクジュソウの花は4月末まで、アズマイチゲは5月はじめまで見ることができました。日が出ていないときには花は閉じてしまうので、晴れた日に見るのがおすすめの花です。

 4月~6月はさまざまな花が見られる季節です。5月にはこれらの花と入れ替わるようにして、オオバナノエンレイソウが遺跡の森・擦文の村周辺ほかで一面に咲いています。5月20日過ぎころまでが見ごろです。(2015年5月)

アズマイチゲ、キタミフクジュソウ
アズマイチゲ、キタミフクジュソウ
オオバナノエンレイソウ
オオバナノエンレイソウ

エゾシマリスの食事

 2015年は全道的にドングリが不作のようです。遺跡の森でも例年大量に実るはずのドングリが今年はあまり落ちていません。餌の減少で、ヒグマの被害が心配されていますが、ドングリはヒグマだけでなく森の様々な動物の食料となっています。

 遺跡の森に住むエゾシマリスもドングリを餌にしています。おなかをすかせているのかと思いきや、ドングリがなければ他の木の実から虫まで色々なものを食べているようです。遺跡の森にはハマナスが生えている場所がありますが、いつの間にか実がなくなってしまいました。トゲだらけのハマナスに平気でよじ登る姿も目撃されており、かなりの量をシマリスが食べてしまったようです。他に、カエデの実を集めているところも見つかっています。

 シマリスは冬が来る前に食料を集めておかなければならないので今、大忙しです。遺跡の森で彼らを見かけた場合は、驚かせないようにそっと見てあげてください。(2015年11月) 

遺跡の森のエゾシマリス
遺跡の森のエゾシマリス
ハマナスの実を取るエゾシマリス
ハマナスの実を取るエゾシマリス

冬の遺跡の森でみられる野鳥

 冬になると遺跡の森はしばらく雪に覆われる季節になります。草木の多くは葉を落とし、シマリスなどの動物は冬眠に入ってしまうため、森の中は一見さびしくなってしまいますが、そうした中でも元気に活動している鳥たちがいます。

 見つけやすい鳥としてはキツツキの仲間がいます。木の幹を歩きながらエサを探して小刻みに木をつつく音を立てるので探しやすい鳥です。よく見られるのはアカゲラで、背が黒、腹が白でお尻の赤い鳥です。まれには国の天然記念物にも指定されているクマゲラが見られることもあります。

 最も多くいるのはカラ類の鳥です。ハシブトガラ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、ヤマガラといった鳥で、別々の種類の鳥なのですがこの季節は一緒に群れて生活しており、にぎやかなさえずりを聴くことができます。中でもゴジュウカラはキツツキより木を歩くのが得意な鳥で、垂直な壁でも上下自在に歩くことができます(写真)。

 遺跡の森ではウェブサイトで実際に見られる鳥の一部を写真で紹介していますので、機会があれば見てみてください。(2016年1月)

ゴジュウカラ1
垂直な壁に止まるゴジュウカラ。
ゴジュウカラ2
このまま向きを変えて下に歩くこともできる。

雪上の足跡

 今冬は雪が早く積もり始めました。遺跡の森も昨年末からすっかり雪に覆われています。この季節には冬眠に入る動物も多いですが、雪の上で元気に活動する動物もいて、たくさんの足跡が残されるようになります。

 最もよく見かけられるのはエゾシカとキタキツネの足跡です。

 エゾシカは体が大きく重いため、2つに分かれた蹄(ひづめ)の跡が深く、くっきり残ります。春になると群れをつくりますが、この季節は群れずに行動しているようです。

 キタキツネの足跡は4本の指の跡と足底が梅の花形に並んだ形です。同じイヌ科のエゾタヌキも似た形、大きさの足跡ですが冬にはあまり歩き回らないので、多くの場合はキタキツネの足跡と見て良いようです。雪の上で餌を探すためか、縦横に動き回った活発な足跡を見ることができます。

 この他、ネズミの足跡が見られることもあります。目立たないせいか目につくことは少ないですが、小さな足跡と一緒に細長い尻尾を引きずった跡があるのが特徴です。

 冬の森では鳥以外の動物を目にすることが少なく、一見さびしく見えますが、雪の上に注目すると少し違った趣を感じることができます。(2017年2月)

キタキツネの足跡

キタキツネの足跡

雪の上を縦横に走る足跡

雪の上を縦横に走る足跡

遺跡の森のネズミたち

 2020年の干支はネズミですが、遺跡の森にも何種類かネズミの仲間が住んでいます。狭い意味でのネズミの仲間(ネズミ目[もく]ネズミ科[か])としてはエゾアカネズミやドブネズミ、またこれに近い仲間ではエゾヤチネズミ(ネズミ目[もく]キヌゲネズミ科[か])などが目撃されています。これらより一回り小さいトガリネズミという動物もすんでいますが、こちらは正確にはモグラ等の仲間(トガリネズミ目(もく))です。

 ネズミの仲間は小さくすばしこく、さらには夜行性だったりするため、遺跡の森で実際にその姿が見かけられることはあまりありません。ところが、冬になって雪が積もるとあちこちに足あとが残るため、姿を見ない動物の存在も分かるようになります。雪の積もった森の中で探してみると、ところどころに小さな足あとを見つけることができます(写真)。ネズミの仲間は飛びはねて移動するので、足あとの歩幅が大きくなっています。しばしば尻尾を地面にひきずるため、両足の間にそのあとがつきます。結果として、細長い線の両側に点々と足あとが並ぶ形になるわけです。

 時にはこれにキタキツネの足あとが重なっていることがあります。獲物を探していたキタキツネに見つかって、追いかけっこになったようです。このネズミは無事に逃げられたのでしょうか…?(2020年2月)

雪の上に残っていたネズミの足あと1
雪の上に残っていたネズミの足あと
雪の上に残っていたネズミの足あと2

ヤマブドウ

 遺跡の森では紅葉の季節に黄色から橙色になる葉が多い中で、ところどころに真っ赤な葉の木も混じっています。その多くはヤマブドウの木です。

 ヤマブドウには雄株と雌株があり、雌株だけが実をつけます。遺跡の森にはヤマブドウの木が多く見えるわりに、実のなる木はあまりありません。ヤマブドウは実が小さく種子が大きかったり、酸味が強かったりするため、現代の栽培種のブドウと比べてしまうと美味とは言えません。けれども、遺跡からはヤマブドウと見られる種子が発見された事例があり、大昔から利用されてきたことが窺えます。

 常呂では、特にアイヌ文化期(14~19世紀ころ)の遺跡でまとまって見つかっています。常呂川河口(ところがわかこう)遺跡では「物送り場」(動物の骨や植物の種子、灰などを集め、祭った場所)からヤマブドウの種子が見つかりました。また栄浦第一(さかえうらだいいち)遺跡では墓から510粒もの種子が見つかりました。ヤマブドウの実を副葬したものかもしれません。

 さらに、大島2遺跡では擦文(さつもん)時代後半・12世紀の竪穴住居跡からブドウの仲間と見られる種子が見つかっており、ヤマブドウの利用はアイヌ文化期以前にも辿れそうです。

 現代ではジュースやワインに加工して楽しまれているヤマブドウですが、古くから秋の味覚として親しまれてきたものだったのです。(2020年11月)

赤い葉がヤマブドウの木
【赤い葉がヤマブドウの木】
ヤマブドウの実 熟すと黒紫色になる
【ヤマブドウの実 熟すと黒紫色になる】

遺跡の森のキビタキ

 遺跡の森では数多くの野鳥が暮らしています。暖かい地方で冬を越した鳥も5月頃から北海道に帰ってきており、あちこちでさえずりを聞かせてくれるようになりました。遺跡の森ではこうした夏鳥の中でも、センダイムシクイ、アオジ、ヤブサメなどの声をよく耳にします。
 キビタキはそうした夏鳥の1つです。幼鳥やメスは褐色の地味な姿をしているそうですが、成鳥のオスは黒い頭・背と黄色い胸のコントラストが鮮やかな姿で、さえずりの美しさでも知られています。キビタキのさえずりは「ピッコロロ」とか「オーシツクツク」などと表現されることがありますが、こればかりは実際に聞いてみないとよく分からないと思います。遺跡の森にいる夏鳥の中ではひと際高い音でさえずることが特徴です。
 さえずりは縄張りを主張したり、メスを呼んだりするためのもので、繁殖期の夏だけに聞くことができます。毎年歌い始めの5月中頃から聞いていると、不完全なさえずりからだんだん調子が整っていくのが分かります。鳥によってさえずりの音程に違いがあったり、途中で調子がくるったりすることもあるようです。キビタキの中にも、歌の上手・下手があるのかもしれません。(2021年6月)

キビタキ(オスの成鳥)
キビタキ(オスの成鳥)

 以下のページでは、遺跡の森で録音されたキビタキのさえずりを聞くことができます。どのように聞こえるでしょうか? 実際に聞いてみてください。

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