高度浄水処理

高度浄水処理を必要とした理由

北見自治区の上水道はそのほとんどを広郷浄水場でまかなっています。広郷浄水場は常呂川の河川表流水を水源としています。常呂川の河川水は、植物が細菌やバクテリア等によって分解された結果生じた褐色のフミン酸、フルボ酸などの腐植質(フミン質)を多く含んでいます。 このため、河川水は薄い褐色を帯びています。
フミン質の内、フミン酸の多くは現在の浄水処理(凝集沈でん・急速ろ過法)で取り除かれますが、フルボ酸は取り除くことはできません。
浄水処理によって取り除くことが出来なかったフミン質は消毒のため加えられた塩素と化学反応を起こしトリハロメタンを作り出し、給水栓での総トリハロメタン濃度は、水質基準値の60%に達することもありました。
このことから、トリハロメタン生成の原因物質であるフミン質の除去のため、粒状活性炭による高度浄水処理が導入されました。

粒状活性炭とは

活性炭とは、表面に1ナノメートル(100万分の1ミリメートル)から1マイクロメートル(千分の1ミリメートル)という非常に小さな穴が無数にある炭素の物質で、表面積が極めて大きいために、有機物質の吸着力にすぐれています。

活性炭の分類
原料
 木質系:木炭、オガクズ、ヤシガラなど
 鉱物系:褐炭、瀝青炭、ピッチ
 その他:プラスチックなど
形状
 粉末活性炭
 粒状活性炭:破砕炭、成型炭
製造法
 水蒸気ふ活法:水蒸気
 薬品ふ活法:塩化亜鉛、リン酸、アルカリ
北見市広郷浄水場で使用している活性炭
 原料:瀝青炭
 形状:破砕炭(粒状活性炭)
 粒径:1.2ミリメートル
 製造法 : 水蒸気ふ活法

高度浄水処理による浄水水質の改善

高度浄水処理による水質の改善状況を、給水栓での総トリハロメタン濃度と浄水場で使用した塩素量の2つの成分から評価しました。

給水栓での総トリハロメタン改善状況

高度浄水処理を導入したことによる給水栓での総トリハロメタン濃度は、高度浄水処理導入前と比較して40から50%程度減少し、水質基準値の10分の1以下を満足する割合も年間35%から80%程度にまで改善され、安全性が著しく向上しました。

給水栓での塩素注入率改善状況

浄水場では、マンガン除去とアンモニア性窒素処理のための中間塩素処理と消毒のための後塩素処理の2段階の塩素処理を行っています。
塩素処理に使用される塩素の量は、高度浄水処理の導入後、粒状活性炭による有機物の低減化や濁質の除去率の向上により、30%以上低減化されました。これにより、カルキ臭の発生もほとんど無く、水のおいしさの向上に寄与しています。

粒状活性炭の再生

高度浄水処理で使用している粒状活性炭の再生処理に伴う処理性について

粒状活性炭は使用に伴いフミン質の除去性能が徐々に低下し、1年後では30%、2年後では20%程度にまで低下します。高度浄水処理のフミン質の除去性能を一定のレベルで維持するためには、一定期間使用した活性炭の交換が必要となります。
北見市では、古い活性炭を新しい活性炭に交換するのではなく、再生処理を行い再利用しています。

再生炭のフミン質の除去性能は試験の結果、新炭とほぼ変わらないことが判明しました。
このため、4~5年間使用した活性炭を再生処理し再利用しています。グラフに示したとおり、実際のプラントでもほぼ新炭の性能と変わらない結果を示しております。
活性炭の再生処理は、新炭を購入するより経費がかからないこと。新炭を使用する場合、古い活性炭は産業廃棄物として処分しなければならないことから、処分のための経費が必要であること。
このことから、再生炭の使用は活性炭にかかる経費の節減となります。また、粒状活性炭処理により濁質の除去も大きく改善されることとなり、クリプトスポリジウムなどの病原性原虫に対しても安全性が飛躍的に高まりました。 また、活性炭は環境ホルモンに対しても高い除去性能を持つことが、国立あるいは民間研究機関において確認されています。

お問い合わせ
上下水道局浄水場
技術係
電話:0157-38-2354
E-Mail:ki.josui@city.kitami.lg.jp
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